先日、アメリカ合衆国ワシントン州シアトルにあるAmazon.comの本社を見学してきました。この記事では、私のAmazon本社見学の経験ついて紹介します。
シアトルにあるAmazon本社の概要と特徴
シアトルにあるAmazonの本社は、40以上とも言われる複数の建物から構成されています。その中で最も有名なのが「The Spheres」と呼ばれる建物です。Amazon Spheresは、ガラス張りのドーム型の建物で、自然光と植物が溢れる心地良い内部空間が特徴です。また、Amazonの社内カルチャーとして有名な、”Always Day 1″に基づく、「Day 1」と呼ばれる建物も有名です。Day 1ビルは高層建築で、アーティスティックな外観と遊び心溢れる内観を有しています。
Amazon本社見学の体験記
Amazon本社の名物:The Spheres
The Spheres were created to reconnect people to nature through biophilic design and provide a space to take in the positive effects of exposure to nature, like increasing creativity and reducing mental fatigue.
https://www.seattlespheres.com/the-spheres-weekend-public-visits
The Spheresはガラス張りのドーム型の建物で、2018年に完成しました。公式サイトによると、The Spheresは、バイオフィリックなデザイン(空間の中にいる人が自然とのつながりを感じられるようにするための設計や手法のこと)を通じて人々を自然と再び結びつけ、創造性の向上や精神的疲労の軽減など、自然に触れることで得られるポジティブな効果を享受できるスペースを提供するために作られたそうです。たしかに、Amazonの本社があるシアトルのダウンタウンは、無数の高層ビルで囲まれており、これほど多くの植物と接することができる場所は少なそうです。
受付で手続きを済ませると、入館証のような小さなタグが貰えるので、それを衣服に付けて中に入っていきます。
The Spheresの中に入ると、本当にアマゾンの熱帯雨林に生えていそうな植物たちが出迎えてくれます。上の写真の一番左は、チョコレートやココアの原料として知られているあのカカオ豆の木だそうです。ガラス張りなだけあって、太陽の光が差し込み、緑の葉や花々が輝きを放っています。自然の中に身を置くことで、心地よい気分に浸ることができます。また、The Spheresには小さな水辺や滝もあり、水の流れる音とともにリラックスできる空間が広がっていました。
また、The Spheres内部には植物たちに溶け込むモダンなオフィススペースが広がっており、印象的な光景でした。数多くの席やテーブル、ソファ、さらにはカフェまで設置されています。私が訪れた際には、実際に会議や談笑をしている社員の方々を目にしました。この空間では、異なる部署やバックグラウンドを持つ人々が交流し、革新的なビジネスのアイデアやプロジェクトが生まれているのを感じました。一方で、湿度の高さと強い日差しのため、夏場には利用しにくいと感じる社員もいるようです。
実際のところ、The Spheresは社員の方々が日常的に利用するメインのオフィススペースではなく、むしろ家族や友人を招いたり、少しリフレッシュしたいときに利用される特別な場所として位置づけられています。
Amazonのカルチャーを体現:Day 1
Day 1ビルは、2016にオープンしました。37階建てで、高さは158メートルにも及びます。Amazonの社内カルチャーである、”Always Day 1” に基づいているとされています。これは、「毎日がはじまりの日」と考え、チャレンジ精神を持ち続けるという意味だそうです。後述しますが、この建物は The Spheres と異なり、社員の方々のメインのオフィススペースであるため、社員の方の紹介がないと中に入ることができません。エントランスには、Amazonの提供するサービスの一つである、Kindleを想起させるデザインの壁がありました。
37階のうち、ある高層フロアを訪問すると、そこにはまさに理想のオフィス環境が広がっていました。セキュリティの観点から一部しか撮影することが出来ませんでしが、ワークスペースやリラックスできるスペースはもちろんのこと、食堂やカフェ、売店、卓球台やフーズボールなどの娯楽設備もありました。
「ここでなら残業してもいい!」そう思わされるような、素敵なオフィス空間です。
そして、高層フロアの最大の魅力は、周囲の景色です。シアトルの美しい自然や、観光スポットであるスペースニードルの景観を楽しむことができます。先ほど紹介した、The SpheresもDay 1ビルから見下ろすと小さく感じます。
ちなみに、The Spheresの奥にある建物は、Amazonのスマートスピーカーブランドである「Amazon Echo」の研究開発コード名にちなんで名付けられ、「Doppler」(ドップラー:音や光の波動に関連する物理現象)というそうです。
Amazon本社を見学する方法
Amazonの本社を見学する場合、The SpheresとDay 1といったそれ以外の建物で方法が異なります。The Spheresの場合、以下の公式サイトから見学を申し込むことが出来ます。リンクを開いて、「BOOK A VISIT」をクリック。
https://www.seattlespheres.com/the-spheres-weekend-public-visits
一方、Day 1といったそれ以外の建物を見学する場合は、Amazon本社に勤める社員の方に案内していただく必要があります。私はLinkedInやTwitter、FacebookなどのSNSで知り合った社員の方にThe SpheresとDay 1の両方を案内していただきました。もしThe Spheres以外の建物にも入りたい場合は、時間はかかるかもしれませんが、Amazon社員との関係を築くことをお勧めします。
日本人がAmazon本社で働く方法
Amazon本社で働くためには、日本人には2つの主な方法があります。
- アメリカの大学を卒業後に、現地で採用される
- 日本でAmazonジャパンに就職し、社内異動制度を活用して本社に転籍する
Amazonには、インターナルトランスファー制度という、世界各地のAmazonの仕事に応募できる社内公募制度が存在し、本社への転籍の可能性も開かれています。どちらの方法も決して簡単ではありませんが、実際に現地の大学を卒業してAmazon本社に入社された方や、Amazonジャパンから本社に転籍された方は複数人おり、決して不可能なことではありません。
Amazon本社は、驚きと魅力に満ちた場所でした。特にThe Spheresは、今までの常識を覆すようなオフィスの姿をしており、圧倒されるほどの美しさと革新性を感じました。私の見学体験を通じて、その魅力を伝えることができたらと思います。また、日本人が本社で働く方法についても簡単に紹介しました。アメリカの大学卒業後やAmazonジャパンでのキャリアを活用し、素晴らしい環境で活躍するチャンスがあることを知っていただければ幸いです。グローバル企業への就職に興味がある方は、ぜひAmazon本社の訪問を検討してみてください。